【田島貴男/小西康陽】Bellissima!/Pizzicato Five 【高浪慶太郎/音楽レビュー】


ピチカート・ファイヴの2枚目のアルバム。浮世離れした浮足立つロマンチシズムと陰という印象です。リリースされたのが1988年。バブルの虚構の豊かさ、その危うさが表れているかのように暗い、というか、虚しさ寂しさみたいなものが滲み出ているアルバムです。

1. 惑星 作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
2. 誘惑について 作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
3. 聖三角形  作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
4. ワールド・スタンダード 作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
5. カップルズ 作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
6. 日曜日の印象 作詞作曲:小西康陽
7. 水泳  作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
8. セヴンティーン 作詞作曲:田島貴男
9. これは恋ではない 作詞作曲:小西康陽
10. 神の御業 作詞作曲:小西康陽


1. 惑星 作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
おしゃれな夜の曲。田島貴男の曲はすこぶるロマンチックで夜のドライブに最適。

2. 誘惑について 作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
聴いてるこっちが恥ずかしくなるくらいの耽美的な曲。過剰なロマンチシズム!最高!

3. 聖三角形  作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
夢見心地なロマンティックな曲。ここまでの曲には暗さはなく、ただただロマンチック。

4. ワールド・スタンダード 作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
ここら辺から曲がちょっと物憂げになってくる。この曲は疲れた大人のための曲だって思います!疲れた時に聞くとテンポも歌詞も前向き過ぎず少しローな感じがちょうどいい。”悲しいのに悲しみを忘れている人々に 悲しすぎて泣くことも忘れている人々に”という歌詞にワールド・スタンダードというタイトルがついて、まるで世界中の人々が悲しみを忘れてしまっていると言われているよう。

5. カップルズ 作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
終わった恋を懐かしむ曲ですが、絶対美化してるだろう!って言いたくなる曲です。男の人ってそういう節があると思うの。カップルズは1作目のピチカート・ファイヴのアルバムタイトルです。3作目の女王陛下のピチカート・ファイヴでも、一つ前のこのアルバム由来の「新ベリッシマ」という曲があります。わたしはカップルズを持ってないので、この曲とどれくらいリンクしているのかはわからないです。

6. 日曜日の印象 作詞作曲:小西康陽
自意識過剰な男がバスルームで自殺を図る曲!どんだけ辛気臭いんだ!聴いてるこっちも、もの悲しい気分になります。

7. 水泳  作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
前の曲での落ち込んだ気分を救い上げてくれる曲。チャチャチャ?のリズムに水泳っていうタイトルの組み合わせがレトロ。いい大人が恋の熱に浮かされて夜のプールで逢引きしてる感じ。陽気なリズムだけど、雰囲気は恋に夢中な時のどうしようもなさが押し出されていて、切ないです。

8. セヴンティーン 作詞作曲:田島貴男
昔好きだった人を偶然見かけてしまった曲なんですかね。歌詞カード見て、今初めて気が付きました。この曲も田島貴男らしいロマンチックな雰囲気の曲です。

9. これは恋ではない 作詞作曲:小西康陽
大人な関係の曲。すごく好きな曲!大人の狡さと悲しさが詰まってます。序盤は淡々として、徐々に感情的になっていく。これでおしまいなんて言ってる割には、完全に頭の中お花畑。このオリジナルが脳内お花畑だから、小馬鹿にしたような月面軟着陸バージョンにすごくびっくりしたんですが、それぞれ素晴らしいです。

10. 神の御業 作詞作曲:小西康陽
僕たちが愛を失くして離れ離れになっても、それは神様のせいだよ、だなんて最後までずるいことを言っている。このアルバムは全体を通して、なんかナンパ師の生態を描いているようだと感じる。完全に偏見ですけど!