【野宮真貴/小西康陽】女性上位時代/Pizzicato Five 【高浪慶太郎/音楽レビュー】

メインボーカルが野宮真貴になってはじめてのアルバム。クールで自由奔放で魅力的な”野宮真貴”というキャラクターをイメージづけるためのアルバムである。「女性上位時代」というタイトル、曲の間に挿入されるインタビュー、果てはしりとりまで!あの手この手で攻めてくる。このアルバムを聴くと、ファッション雑誌をみたような、おしゃれインスタグラマーの投稿を見たような、気分になって美意識があがるので、きれいになるモチベーションを上げたい女性におすすめ!

1. 女性上位時代#4(ナレーション)
2. 私のすべて
3. お早う
4. サンキュー
5. 大人になりましょう
6. 女性上位時代#5(ナレーション)
7. ベイビィ・ラヴ・チャイルド
8. トゥイギー・トゥイギー
9. トゥイギー対ジェームス・ボンド
10. 神様がくれたもの
11. パーティー
12. しりとりする恋人たち
13. マーブル・インデックス
14. きみになりたい
15. むずかしい人
16. TOKYO`S COOLEST SOUND
17. クールの誕生
18. 女性上位時代#6(ナレーション)


1. 女性上位時代#4(ナレーション)
野宮真貴のちょっと意地悪で小悪魔的な魅力が垣間見えるインタビュー。

2. 私のすべて
わたしはすべて許されちゃう、だってわたしはかわいいから!小悪魔だ!けして可愛らしいタイプではない、むしろ美人なタイプの野宮真貴だけど、なぜかすごく納得してしまう説得力を、初めのインタビューとこの曲の3分弱に持たせてしまうのがすごい。

3. お早う
先ほどと打って変わって抑揚のないクールな歌声の野宮真貴。お早うというさわやかなタイトルなのに、曲は全然さわやかじゃなくて、めっちゃ怖い!こういう訳の分からなさ、つかみどころのなさに、わたし達聴き手はどんどんこのアルバムに引き込まれていく。

4. サンキュー
抑揚のないまるでモノクロの映像のような前曲が終わると、これまた全く異なったキラキラサウンドが始まって驚かされる。でも歌詞は”ユウウツな気分は晴れない”と歌っている。ユウウツな気分だけど、励まそうとしてくれる人にも一応のありがとうを言うくらいには周りを受け止めらる、でも元気溌剌!といかない気怠い気ままな女性って感じ。

5. 大人になりましょう
静かなボーカルで皮肉たっっぷり、そしてキュート。語ることはあまりないがピチカート・ファイヴの中でも特に好きな曲の一つ。この曲までは小西康陽作詞作曲。

6. 女性上位時代#5(ナレーション)
引き続きお楽しみくださいというアナウンス笑。

7. ベイビィ・ラヴ・チャイルド
高浪慶太郎作曲、小西康陽作詞。前作までのアルバムのようなロマンチックなふわふわした雰囲気。間奏で2作目のアルバム、ベリッシマに収録されているカップルズの一部が引用され、不穏さを漂わせます。

8. トゥイギー・トゥイギー
佐藤奈々子作詞作曲。とってもキュートでおしゃれな曲。PVもおしゃれ!この曲はもともと野宮真貴がソロの時代から歌ってた曲のようですね?海外から人気に火のついたピチカート・ファイヴ、2016年夏季オリンピックのサッカーの会場でこの曲が流れていたそうです。

9. トゥイギー対ジェームス・ボンド
インスト。

10. 神様がくれたもの
高浪慶太郎作曲、野宮真貴作詞。こんな素敵な女性に生まれちゃって、素敵な彼もして、優雅な毎日で世界中の幸せ独り占めだわ、ありがとう神様っていう傲慢な一曲。この曲を口ずさむと自分もスーパーかわいい女の子に生まれたような気分になる。幸せ。あいかわらず淡々としたボーカルで、それがいいです。自動的に幸せなの、わたし。

11. パーティー
細野晴臣作曲、歌詞は色んな人でめんどくさいんで書きません。華やかでキッチュなワードがいっぱいでファッション雑誌の1ページみたいな曲。

12. しりとりする恋人たち
しりとり。本当にしりとりなの。

13. マーブル・インデックス
高浪慶太郎作詞作曲。全く掃除関係ない曲だけど、この曲はなんか掃除がはかどるんですよね。この曲ももちろん、アルバム全体でボーカルは抑揚なく歌っていて、それが野宮真貴のキャラクター像を描写する歌詞に乗っかって、野宮真貴のキャラクターに浮世離れしたイメージを付与しているように思います。このように歌詞だけでなく、歌い方やしりとりで選ぶ言葉、言葉の発し方など様々な方法で異なった印象を付与することにより、しっかりと鮮烈に聴き手に”野宮真貴”のキャラクターを残す一枚になっています。

14. きみになりたい
小西康陽作詞作曲。淡々としたラブソングでサウンドもシンプル。シンプルイズベスト。聴くべし。

15. むずかしい人
高浪慶太郎作曲、野宮真貴作詞。高浪慶太郎さんのこういう深刻さのない曲が好きだ。自由奔放でまじめな男性もお構いなしに振り回そうと構ってちゃんになる女性像が可愛らしい曲。

16. TOKYO`S COOLEST SOUND
高浪慶太郎作曲、小西康陽作詞。さわやか!日曜日の東京の公園のイメージ。

17. クールの誕生
小西康陽作詞作曲。ダメ押しの一曲。もうここまで聴いたら、あなたもピチカートマニア一直線!”冷たいのが好きでしょ”と歌う野宮真貴のサディスティックな眼差しが脳裏に浮かぶよう。サウンドもコンピューターを意識したようなピコピコ音が使われていて、機械的な冷たさを連想させます。

18. 女性上位時代#6(ナレーション)
高浪さんや小西さんとはまだ友達歴が浅いとごまかす野宮真貴