【田島貴男/小西康陽】女王陛下のピチカート・ファイヴ/Pizzicato Five 【高浪慶太郎/音楽レビュー】
わたしの大好きなアルバムを紹介します。ピチカート・ファイヴといったら野宮真貴の印象が強いんだろうけど、わたしは田島貴男ボーカルの頃のピチカート・ファイヴが大好き!
大げさすぎるくらい甘くて色っぽいボーカルに小西康陽、高浪慶太郎、田島貴男の三者三様の曲、そのバックにはバブルという、またまた大げさな時代の波があった。その時代にその3人だったからこそ生まれた音楽です。このアルバムの前作、ベリッシマも好きですが、よりロマンチックでカッコつけた、この「女王陛下のピチカート・ファイヴ」の方がおすすめ度が高い!女王陛下のエロチカ大作戦っていう架空の映画をモチーフに作られてて面白いです。
実はヤプーズのベーシスト中原信雄もこのアルバムに参加してます!野宮真貴がピチカート・ファイヴに参加する前のポータブル・ロックというバンドでも中原信雄はベースをしてたみたいです!意外な繋がりにびっくり。
1.オードリィ・ヘプバーンの休日 作曲:高浪慶太郎
インストの曲。ロマンチックで怪しげで胸が高鳴るような、何が起こるんだろうという気にさせられます。
2.~イントロダクション"ジェイムズ・ボンドとヴェトナム"
銃声とセリフのみ。ベトナムが舞台なのかな?
3.新ベリッシマ 作詞作曲:小西康陽
前作のアルバム、ベリッシマの曲たちの歌詞が少しずついじられてて、ロックな曲調。前作ベリッシマを否定している?おちょくっている?ような感じですかね。
前作のベリッシマでは、本人たちの「なんでこんな暗いアルバムになってしまったのか」みたいなコメントがあったので。それを払しょくしたかったのかもしれません。
4.恋のテレビジョン・エイジ 作詞作曲:小西康陽
時代感のあるサウンドに、タイトル〜。堪らないです。恋人同士の曲なんですが、田島貴男と高浪慶太郎が歌ってるんです。どっちもソフトで甘い歌声できゅんとします。東京タワーもTVも、今となってはレトロなワードになりました。
5.リップ・サーヴィス 作詞:田島貴男・小西康陽 作曲:小西康陽
軽薄で甘甘な雰囲気がバブルっぽい!山田詠美の小説のような過度なロマンチシズムというか。本気じゃないからそこまでキザになれるだろうけど、そんだけかっこよかったら嘘でも何でもいいです。
6.「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋
~a. ナイロビの女王陛下 作曲:小西康陽
女王陛下ってヨーロッパとかのイメージしかなかったんですが、ナイロビの女王なんです。ナイロビって暑いとこでしょ、くらいのイメージしかなかったから調べたらケニアの首都ですって!
7.~b. スパイ対スパイ 作詞:田島貴男・小西康陽 作曲:小西康陽
とってもおしゃれでかっこいい曲。とってもかっこつけてる。田島貴男のとぼけたような「ぱんぱぱぽんぱーんぽーん」すらかっこいい。曲名のまんま、スパイっぽい曲。この曲、パスピエがカバーしていたと思います。何かのシングルの時のカップリング曲。なんでこの曲!?と思いました。田島貴男以外が歌って成り立つものなのか、聴いてみたいです。
8.~c. スウェーデン娘 作詞:田島貴男・小西康陽 作曲:小西康陽
さっきの曲のスウェーデン娘に捧げる曲でしょうか。別れを惜しむ感じ。
9.~d. 自白剤 作詞作曲:高浪慶太郎
ナイロビ要素また出てくる。ボーカルは越 美晴さん
10.~e. 陽動作戦 作曲:高浪慶太郎
セクシーボイスは前作までボーカルを務めていた佐々木麻美子さんだそうです。陽動作戦で物語は佳境に。
11.トップ・シークレット(最高機密) 作詞:田島貴男・小西康陽 作曲:小西康陽
セクシーな、甘甘ロマンチックナンバー。最高です。言うことなしです。
12.バナナの皮 作詞:小西康陽 作曲:高浪慶太郎
ちょっとコミカルな曲。この曲はボーカルは高浪慶太郎さんです。"バナナの皮"なんていうコミカルな、このアルバムの流れでは突拍子もないようなワードが入ってて、一見だまされ?ますが、十分この曲もかっこつけてます。
13.トップ40 作詞作曲:田島貴男
セクシー甘甘、コミカルなかっこつけ、と来て今度は正統派かっこつけナンバー。昔のミュージカルのひと場面でありそう。
14.ホームシック・ブルース 作詞作曲:高浪慶太郎
穏やかにやけくそな曲。この曲のギターがちょっとウエスタンな雰囲気で好きです。
15.衛星中継 作詞作曲:小西康陽
野宮真貴が初めて参加した曲。淡々としてるけど可愛らしくて、今にない価値観が垣間見える。昔は衛星中継ってとても画期的なものだったんだろうな。今でもインターネットとかで遠くの人と繋がれることに感動したりするけど、きっと今の比じゃないくらい感動的だったはずです。恋のテレビジョン・エイジと同様、あの時代だからこそ生まれた名曲。
16.遠い天国 作曲:高浪慶太郎
ちょっと一休み。インスト。怪しげ。
17.女王陛下よ永遠なれ 作詞作曲:小西康陽
女王陛下への愛の囁き。どこまでもロマンチックなアルバム。
18.夜をぶっとばせ 作詞:小西康陽 作曲:田島貴男
田島貴男がオリジナルラブでも歌ってる曲。こっちから知ったからってのもあると思うけど、わたしはこっちのアレンジが好きです。訳もなくブルーで、ドライブするっていう、どうしょうもなさが大人な曲。
19.ゴーゴー女王陛下 作曲:小西康陽
再販版には収録されてません!総集編みたいな曲かと思いきやそうでもない。最後怖い。
オリジナル版なんてどうせないだろうと思って、再販版買ったあとに探したら普通にありました。下のリンクはオリジナル版なので、買うなら絶対にこっちがいいです。再販版はCD自体のプリントも適当なデザインになっちゃってて台無しです。