芸人の墓/水中、それは苦しい【音楽レビュー】

戸川純 with Vampilliaのバイオリンの音を聞いて思い出した。友達がかしてくれたCDの中のひとつ。

水中、それは苦しいはバイオリン、ギター、ドラムという風変わりな編成。バイオリンがとてもいい!

初めて聴いたとき、このバンドは真面目なのかふざけてるかよくわからなくて、結局よくわかんないままなんとなく聞いていました。その得体の知れなさも何回か聴くと慣れてしまって、今では口ずさんでしまいます!

収録曲
1.芸人の墓
2.暴言少女よしえ
3.マジで恋する5億年前
4.本質Ⅰ
5.居酒屋デリンジャー
6.風の谷の噺家
7.本質Ⅱ
8.悲しみサンバカーニバル
9.乙女の祈り
10.アゲインアゲイン

1.芸人の墓
ただ変な曲かと思ったらめっちゃエモーショナルな曲だった。谷川俊太郎の詩人の墓を芸人にした曲。詩人が芸人になるだけでシュール度がうなぎ登り。でも芸人って何か悲しさがありませんか。大人が人に笑ってもらうために頑張る姿に哀愁をわたしは感じるんです。詩人よりも芸人の方が世俗的で親近感が湧く分侘しさもひと塩。あれ、このバンドって真面目なのかな?

2.暴言少女よしえ
さっきの曲とは打って変わってシュールな暴言を吐くだけの曲!あれ?このバンドはやっぱりただの変なバンドなのかな?

3.マジで恋する5億年前
遠距離恋愛をしていて少し寂しい気持ちになっているときにたまたま聞いてしまって涙が出てしまいました!変な曲なのにね!"ぼくらは互いを放置プレイ"っていう歌詞にグサッときました。
ひたすら韻を踏んでアンモナイトだのダイナソーだのと出てきますが、やたらスケール大きいワードを前にすると遠距離恋愛もちっぽけに感じますね。

4.本質Ⅰ
やっぱりただの変なバンドなのか?笑

5.居酒屋デリンジャー
勢いだけで突っ走っていくやけくそな曲。やっぱり変なバンド。

6.風の谷の噺家
爽やかないい曲

7.本質Ⅱ
ベビーフェイス、ベイビーフェイス♪この辺まで来ると慣れてくる。

8.悲しみサンバカーニバル
歌詞のテーマは「こんなカーニバルは嫌だ」でしょうか。シュールで楽しい。一緒に歌うともっと楽しいです。

9.乙女の祈り
バイオリンの明るい音色が脳天気。体操に良さそうな曲。これもシュール。ここまで聴くと1曲目が異質だっただけで結局シュールが売りのバンドだったのかと思った。PVもシュールだった。

10.アゲインアゲイン
また韻を踏んでよくわからないことを歌っていると思いきや、なんだか感じるノスタルジー。ちょっと感じ入る。シュールなのにカタルシスがある。あれ?結局このバンドってどんなバンドなんだ、と謎が深まり、あなたはまたアルバムを初めから再生することになる!